茶話

水 について

お茶にとって水は命です。日本は軟水が当たり前なのでとても恵まれています。

欧州は軟水の地域と硬水の地域がまだら模様のモザイクのようです。
当社がフランスに出ていくときに、パリ・パリ郊外・リヨン・レンヌなどを見て回りました。
レンヌは西部ブルターニュ地方の町で、そこに行ってみた理由はブルターニュは軟水地域だったからです。
結局はリヨンにしましたが。
ちなみにリヨンが属するオーベルニュ=ローヌ=アルプ地方にはボルビック本社があります。

軟水と硬水で同じ茶葉を分刻みで水出しするというヒマなおじさんにしかできない実験をしたことがあります。(笑)
使用した水は軟水のボルビックと硬水のエビアンです。
水色は硬水の方が綺麗なのですが味も香りもしません。
一方で軟水は水色は薄いものの旨味がキチンと出ています。

当社は箱根の芦ノ湖近くに開発研究ラボと通販事業部を構えています。
だいぶ前に買った中古物件ですが。ここを選んだ理由のひとつが「水」です。

芦ノ湖に注ぐ駒ヶ岳からの伏流水(磐境の水) 51mg/L(軟水)。三島西伊豆方面の水 29mg/L(軟水)。富士山麓河口湖近辺の水 130mg/L(ギリギリ硬水)。その他にも硬度は不明ながら名水湧水が多くあります。抽出する水を変えての実験に好都合なんですね。
ちなみに海外で水に困った時はボルビックを使っています。硬度60mg/Lの軟水なのでお茶には適しています。

私は芦ノ湖周辺の水が一番良いと思います。あまり柔らかすぎても喉越しが良くないように思えます。
富士山周辺の中程度の軟水や硬水の中の一番柔らかめの水はアレンジするものによってはありですね。

軟水は中から抽出するのに良い水です。出汁と同じです。
一方で硬水は中に閉じ込めるのに良い水です。
欧州に多い硬水は肉をまるごと鍋に入れて煮て肉汁の旨味を閉じ込めるのには適しています。

では。

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